南極緑藻に見つかった赤外線利用型光合成

書誌事項

タイトル別名
  • An oxygenic photosynthetic mechanism for using infrared in an Antarctic alga
  • High photosynthetic performance realized with low energy
  • 低いエネルギーで光合成するしくみ

抄録

<p> 植物が行う光合成は可視光のエネルギーを利用して行われる。赤外線はエネルギーが低いため酸素発生型の光合成には利用されないと考えられてきた。しかし近年,複数の生物において赤外線の一部である遠赤色光(700~800nm)で酸素発生型光合成が可能であることが報告されている。私達はナンキョクカワノリから遠赤色光を吸収するアンテナタンパク質Pc-frLHCを精製し,クライオ電子顕微鏡によりその立体構造を明らかにした。励起子カップリングの計算から遠赤色光に吸収を持つクロロフィルを同定し,アップヒル型の励起エネルギー移動過程について推察した。生物が環境適応の過程で獲得した効率的なアップヒル型の励起エネルギー移動メカニズムから得られる知見は,将来的には産業分野における量子制御技術へ繋がるかもしれない。</p>

収録刊行物

参考文献 (5)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ