Daptomycinの非感性化が認められたMRSA菌血症の 1 例

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抄録

91歳の男性。転倒後に発熱し受診,肺炎と心不全の疑いで入院となった。第 6 病日に中心静脈カテーテル(central venous catheter: CVC)を留置し中心静脈栄養を開始した。第 13 病日に発熱し, 抜去したカテーテルと血液からMRSAを検出し,daptomycin(DAP)に対するMICが 0.25μg/mL 以下であったためDAP投与を開始した。第 26 病日に再度発熱し,血液から再度MRSA検出したがDAPへのMICは 2μg/mL と上昇していたため,linezolid(LZD)に変更した。腹部MRIで左腸腰筋血腫を認めたため, 第 35 病日にドレナージとCVC再留置を行い, 血腫からもMRSAを検出した。第 44 病日にLZD 投与終了後,第 57 病日に発熱と血圧低下を生じ,CVCと血液からMRSA(0.5μg/mL) を検出。CVCを再留置しLZDと昇圧剤の投与を開始したが第 80 病日に永眠された。CVCと血液からMRSAを検出したが,DAPへのMICは 1μg/mL と上昇していた。近年,複雑性菌血症で抗MRSA 薬投与中にDAP非感性MRSAの出現が報告されている。本症例では血腫やCVCへの感染が DAPへの非感性化に寄与したと考えられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016649278094336
  • DOI
    10.60227/jhgmwabun.19.5_316
  • ISSN
    27587878
    21858136
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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