βラクタム系抗菌薬が無効の腸炎の再評価で診断に至った日本紅斑熱

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71 歳女性が発熱と消化器症状で近医を受診した。肝酵素の上昇,炎症反応の高値,CTでの小腸壁肥厚から,まず腸炎と診断した。β-ラクタム系抗菌薬による治療にもかかわらず,病状は悪化し,DICとなった。第 7 病日に全身に紅斑を認めたが診断確定には至らず,第 14 病日に当院に転院となった。マダニの刺し口は見られず,最近山林に入ったこともなかった。皮膚科診察の結果,リケッチア感染症が疑われ, 血液と皮膚組織の PCR検査により日本紅斑熱と診断された。後日,室内犬に付着していたマ ダニが感染源であった可能性が指摘された。日本紅斑熱は約 40 %の症例で消化器症状があり, マダニの刺し口が見られない例もある。さらに,山林部ではなくペットに付着したマダニが媒介することがある。これらの所見は診断上のピットフォールとなり,日本紅斑熱の早期かつ適切な診断に有用であるため報告する。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390016649278114688
  • DOI
    10.60227/jhgmwabun.19.5_326
  • ISSN
    27587878
    21858136
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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