喉頭摘出術を併施した頸部食道癌例

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical outcome of cervical esophageal cancer treated with laryngectomy
  • —The roles of head and neck surgery
  • —頭頸部外科の役割に関する考察—

抄録

頸部食道癌は全食道癌の約5%の希少疾患である。頭側への進展例では喉頭摘出が必要となり,頸部リンパ節転移例も多いことから,頭頸部外科の重要性が高い。名古屋市立大学病院では喉頭摘出・頸部郭清術を必要とする症例は頭頸部外科が頸部操作を行う。今回2017年から2022年までに,当院にて手術加療を行った頸部食道がん25例のうち,喉頭合併切除を要した15例を対象に後方視的検討を行った。年齢中央値は69歳,男性12例,女性3例であった。全症例が扁平上皮癌で,臨床病期はステージIが2例,ステージⅡが5例,ステージⅢが7例,ステージⅣaが1例であった。15例のうち7例は頸部操作のみで摘出可能であった。2年全生存率は33.3%,無病生存率は33.3%であった。術後合併症は9例で認め,気管壊死が1例に生じ処置を必要とした。頸部食道がんの治療には頭頸部外科・消化器外科の協力が重要である。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 49 (3), 262-266, 2023

    日本頭頸部癌学会

参考文献 (9)*注記

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