先天性ミオパチー(RYRI関連ミオパチー)に伴う早期発症側弯症の治療経験

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タイトル別名
  • A patient with a ryanodine receptor 1 (RYR1) gene mutation and severe early-onset scoliosis associated with congenital myopathy and malignant hyperthermia: a case report

抄録

<p>はじめに:先天性ミオパチーなどの筋原性疾患に対する側弯症手術は侵襲が大きい.他方,早期発症側弯症では複数回手術を要し,様々な合併症が報告されている.セントラルコア病等の先天性ミオパチーは全身麻酔により悪性高熱症(malignant hyperthermia:MH)を発症することは以前から知られ,RYR1(リアノジンレセプター1)遺伝子は先天性ミオパチーとMHの原因遺伝子である.</p><p>症例:症例は8歳,女児.RYR1遺伝子変異がある早期発症側弯症患者に対し,装具治療を行うが10歳で側弯はT3-11-L5 66度,79度に進行.Risser-Cotrel Cast法を行い,完全静脈麻酔によりMHを発症しないことを確認しながら,側弯の進行を抑えた.12歳半,Closed Triradiate Cartilageとなった時点で,側弯矯正手術を行った.術後2年で側弯はT3-11-L5 29度,31度に維持され,crankshaft現象はみられなかった.</p><p>結語:早期発症した先天性ミオパチー患者の側弯症手術を安全に行うことができた.たとえ患者にRYR1遺伝子変異があっても完全静脈麻酔であればMHの発症を抑えられる可能性がある.</p>

収録刊行物

  • Journal of Spine Research

    Journal of Spine Research 14 (11), 1402-1407, 2023-11-20

    一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016726012803328
  • DOI
    10.34371/jspineres.2023-1111
  • ISSN
    24351563
    18847137
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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