P2040 重症心身障害児(者)病棟のお便りに対する家族の反応

DOI
  • 郡 えりか
    独立行政法人国立病院機構東徳島医療センター
  • 松本 光世
    独立行政法人国立病院機構東徳島医療センター
  • 岡林 裕恵
    独立行政法人国立病院機構東徳島医療センター

抄録

はじめに A病棟では、患者・家族の高齢にともない面会回数が減少している。家族とつながりを持つ1つの手段として、最近の様子等を記載したお便りをすべての家族に送っている。しかし、毎回同じような内容となっているため、家族の反応を明らかにし、お便りの見直しを検討したいと考えた。 研究方法 1.対象:重症心身障害児者A病棟の患者家族37名。2.方法:先行研究を参考にアンケート用紙を作成し、回収後単純集計した。 結果・考察 お便りの内容は「現状のままでよい」が44%で最も多かった。もっと知りたい内容があると応えたのは56%で、その中で最も多かったのは「健康状態」についてだった。「健康状態」が1番多かったのは、患者が高齢化しているためと考える。もっと知りたい内容を年間面会回数で比較すると、面会の少ない家族は、日常生活についての項目が入っているが、面会の多い家族は入っていなかった。また、両親と兄弟その他で比較すると知りたい内容は両親は健康に関する項目ばかりであったが、兄弟その他はほとんどの項目についてもっと知りたいと答えていた。このことから、面会の少ない家族や兄弟その他は、患者の日々の様子について具体的な情報を知りたがっていると考えられるため、今後のお便りにはこれらの情報にも力を入れていく必要がある。また両親に対しては、健康に関する情報をさらに分かりやすく伝える工夫が必要である。回答の得られた35名全員「送ってほしくない」という意見はなかった。回答者の過半数がもっと知りたい内容があると答えていたことから、今後もチーム全体で面会時など家族と積極的に関わり、要望や思いを聞くことで、情報共有していく必要がある。それを元に内容を修正しながら、かけはしの1つの手段としてのお便りを継続していきたい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016748568638208
  • DOI
    10.24635/jsmid.36.2_358_1
  • ISSN
    24337307
    13431439
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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