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ぬいぐるみという記号からコミュニケーションを捉え直す
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- MiIYAWAKI Kaori
- Faculty of Sociology, Momoyama Gakuin University
Description
本論文は人とモノとのコミュニケーションが生起する場としてのぬいぐるみに着目する。本論文は『ユリイカ』2021年1月号の「ぬいぐるみの世界」という特集を分析対象とした。愛好家たちの語りを「コミュニケーション」を軸概念として分析する中で、以下が明らかになった。ぬいぐるみとのコミュニケーションは何もしない、何も起こらないことが前提となっている、変動要素が極端に少ないコミュニケーションである。ぬいぐるみとのコミュニケーションは所有者が人間であることを再確認させ、所有者の感情を表出させる。またぬいぐるみの劣化に対し、その愛好家たちは一緒に過ごした証として肯定的な意味づけを行う。そしてぬいぐるみは物でありながら視線や魂を感じさせるという、矛盾する概念を同居させている存在である。 今回の分析から、ぬいぐるみというモノと人間のコミュニケーションは実践されているということ、そして人間がぬいぐるみを使うだけでなく、ぬいぐるみが人間の(人間同士のコミュニケーションでは表出しなかった)ことばや感情、感覚を引き出すことも明示された。これらはコミュニケーションが人間同士以外でも起こりうることや、モノが人間の在り方に影響を与えうること示しており、コミュニケーション研究や記号論の人間中心主義からの脱却への一つの契機となりうるだろう。
Journal
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- The Japanese Journal of Semiotic Studies
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The Japanese Journal of Semiotic Studies 1 (1), 20-36, 2023
THE JAPANESE ASSOCIATION FOR SEMIOTIC STUDIES
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390016759113737472
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- ISSN
- 27588580
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- Text Lang
- ja
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- Article Type
- journal article
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- Data Source
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- JaLC
- KAKEN
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- Abstract License Flag
- Allowed