経口セマグルチドのsmall dense LDL-コレステロール,LDL-トリグリセリドに及ぼす影響,後ろ向き解析による観察研究

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  • Effect of Oral Semaglutide on Small Dense LDL Cholesterol and LDL Triglycerides: An Observational Study with Retrospective Analysis

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抄録

<p>目的 small dense(sd)LDL-コレステロール(C)とLDL-トリグリセリド(TG)は動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の強力なリスクマーカーである.GLP-1受容体作動薬(RA)はASCVD発症を抑制することが報告されており,経口セマグルチドのLDL亜分画への影響を調べた.方法 経口セマグルチドを投与した2型糖尿病107名のうち87名はDPP-4阻害薬からの切り替え,20名は追加であった.セマグルチド3,7,14 mg内服者は各々28,71,8名であった.sdLDL-C,LDL-TGは直接定量法で測定した.結果 年齢50±13歳,BMI29±6 kg/m2で比較的若年で肥満者が多かった.セマグルチド投与によりHbA1cは7.9から7.5 %に,体重は76.4から74.9 kgに低下した.sdLDL-Cは32.4から28.6 mg/dLに,LDL-TGは15.6から14.7 mg/dLに低下した.LDL-C,TG,HbA1cも低下した.セマグルチドの投与法,量は脂質変化量(Δ)に影響を及ぼさなかった.ΔsdLDL-CはΔLDL-C,ΔTG,ΔHbA1cと正相関し,ΔLDL-TGはΔHbA1cとのみ相関した.結論 経口セマグルチドはLDL全体を低下させることによりその亜分画も低下させた.ASCVD抑制に寄与する可能性がある.</p>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 66 (11), 765-772, 2023-11-30

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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