数値解析によるΔ<sup>36</sup>S/Δ<sup>33</sup>S比のロバスト性の再検討: 硫黄同位体異常の定義依存性

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  • Revisiting robustness of Δ<sup>36</sup>S/Δ<sup>33</sup>S ratios by a numerical analysis

抄録

<p>硫黄同位体の非質量依存分別(同位体異常と呼ぶ)は、太古代堆積岩や極地の氷の硫酸エアロゾルから発見されている。しかしその起源は決定されていない。起源の制約には、同位体異常の大きさ(Δ33S, Δ36S値)の比Δ36S/Δ33Sが最も有用であるとされる(e.g., Farquhar et al., 2001)。しかしΔ33S, Δ36Sはδ34S値に対し指数または対数であり線形でない。その結果、混合でΔ36S/Δ33Sが変化する可能性があるが、この評価はされていない。私はΔ33S, Δ36S値の定義依存性および2成分混合でのΔ33S-Δ36Sの関係について数値解析を行い、Δ36S/Δ33S比のロバスト性を調べた。Δ33S, Δ36Sの定義には線形の近似式も用いた。Δ36S/Δ33Sの定義依存は天然試料では無視できるが、|δ34S| > 200‰の巨大な同位体分別では無視できない。線形の定義を使うと2成分混合モデルでΔ33S-Δ36Sの関係は厳密に線形であることを示した。さらに、SO2光解離実験のΔ36S/Δ33S比は、指数・対数の定義では極地の氷の硫酸エアロゾルを再現しないが、線形の定義では再現しうる。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016880929273344
  • DOI
    10.14862/geochemproc.70.0_146
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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