生物起源炭酸塩の酸素安定同位体分別における 種特異性の定量的評価

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タイトル別名
  • Quantitative Evaluation of Species Specificity of Oxygen Isotope Fractionation in Biogenic Carbonate

抄録

<p>炭酸塩の酸素同位体組成を利用した温度換算式は、多様な分類群の生物起源炭酸塩や無機沈殿実験から報告されてきたが、生物起源炭酸塩の式には、無機沈殿実験からのズレと酸素同位体分別の種特異性が見られる。これは石灰化プロセス中に起こる、石灰化母液の化学的特性への生物学的・生理学的制御により、炭酸塩にもたらされる生体効果からの影響である可能性が高い。生体効果は水温復元において大きな誤差要因である。そこで本研究では、生体効果による生物起源炭酸塩の酸素同位体分別の種特異性を精密かつ定量的に評価することを目指す。そのために水温制御下で飼育された水生生物の生物起源炭酸塩について酸素同位体比分析を行った。二枚貝類2種(アカガイ, アサリ)間の比較では、アサリはアカガイより無機沈殿実験の式からのズレが大きく、2種の酸素同位体分別に有意な差が見られた。これは生体効果による種特異性を示している可能性が高い。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016880929462144
  • DOI
    10.14862/geochemproc.70.0_94
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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