新型コロナウイルス感染症の流行やそれに伴う面会制限によって看護師が家族に関わる際に抱く困難とその対応

DOI
  • 松本 淳
    医療法人社団愛友会上尾中央総合病院
  • 副島 尭史
    神戸大学大学院保健学研究科看護学領域家族看護学分野
  • 上別府 圭子
    一般社団法人子どもと家族のQOL研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Difficulties Associated with COVID-19 Pandemic and Visitation Restrictions for Nurses in Care for Families and How to Deal with Them

抄録

<p>目的:新型コロナウイルス感染症の拡大やそれに伴う一般病棟での面会制限によって,家族に対する看護師の関わりにどのような困難が生じているか,また,その困難にどのような対応をしているかを明らかにすることを目的とする.</p><p>方法:医療機関において活動する専門看護師6名に対して,半構造化面接に基づく質的研究を行った.データの分析はMayringの内容分析の手法を用いた.</p><p>結果:困難に関する8個のカテゴリーと対応に関する9個のカテゴリーが抽出された.看護師が家族に関わる際に抱く困難として,《非対面で家族とコミュニケーションを取ることが難しい》《患者と家族の関係性を把握できない》《患者の状況や家族の思いを家族と看護師で共有することが難しい》《患者や家族の状況,家族の意向を踏まえたうえで治療や退院支援を進めることが難しい》などが抽出された.困難への対応としては,《限られた接触の機会で家族と効率的にコミュニケーションをとる工夫をする》《家族へ意識的に目を向け,働きかける》《患者と家族が双方のことを思い浮かべるような関わりをする》などが抽出された.</p><p>結論:面会制限下では看護師が家族と接触する機会が減少し,家族と患者の関係性を踏まえた関わりや実際の家族に対する介入の場において困難があった.その対応としては,家族との非対面コミュニケーションの工夫,家族の存在を意識すること,患者と家族との橋渡し役となれるように心がけることが挙げられ,このような対応が面会制限下における患者や家族への支援の第一歩となることが示唆された.</p>

収録刊行物

  • 家族看護学研究

    家族看護学研究 28 (1), 15-29, 2022-10-31

    一般社団法人 日本家族看護学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016880929525632
  • DOI
    10.60320/jarfn.28.1_15
  • ISSN
    27588424
    13418351
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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