バドミントン競技において試合での総打数と推定総移動距離からフィジカルトレーニングの内容を再考する

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抄録

<p>バドミントンは、ネットを挟んでシャトルをラケットで打ち合い得点を競う競技である。運動の形態は、全力での運動と休息を繰り返す間欠的運動であり、運動強度は高いとされている。世界のトップアスリートが戦うワールドツアーや世界選手権、オリンピック等は1日に行う試合は1試合という形が一般的になっており、トーナメントサイズが32ということから5日間かけて1つのトーナメントを戦い、決勝まで進出すると5日間で5試合ということになる。しかし、高校生や大学生の全国大会である全国高校総合体育大会(インターハイ)や全日本学生選手権(インカレ)や各地区大会(東北学生選手権等)においては、選手がシングルスとダブルスを兼任出場していることもあり、1日4〜6試合、5〜6日間で約20試合の戦いを強いられる選手もいる。そこで、本研究はバドミントン競技における総打数、推定総移動距離、総動作に注目し、その運動負荷とその結果に対するトレーニング処方の考案を目的とした。</p><p> 東北学生バドミントン選手権大会および東北学生バドミントン春季リーグ戦(2023年5月22〜27日)において、対象選手A(女子、19歳。団体戦優勝、ダブルス準優勝、シングルス5位)の6日間14試合34ゲームとした。</p><p> 大会中に撮影した映像から総打数、動作のVBAにて記録した。推定総移動距離については、2方向の映像からマーカーレス3次元骨格位置推定を行い遠位足接地の際の両足中点を身体位置と定義し、身体位置の移動軌跡から推定移動距離を算出した。</p><p> 大会中の総打数は8,515打であり、1ゲーム平均250.4打であった。1ゲーム平均の推定移動距離が778.7m(3.11m/打)であった。1日4試合すべてがファイナルゲームまで戦ったと仮定すると12ゲーム、総打数3,004.8打、移動距離9,344.9mとなることから、高強度かつ耐乳酸性のトレーニングを要すると考えられる。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016880930021632
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.73.0_536
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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