両性アクリルアミド共重合体の高性能製紙用添加剤としての応用

  • 山戸 海里
    星光PMC株式会社 製紙用薬品事業部 技術統括部 千葉研究所
  • 久米田 和寛
    星光PMC株式会社 製紙用薬品事業部 技術統括部 千葉研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Application of Amphoteric Acrylamide Copolymers as High Performance Papermaking Additives

抄録

板紙抄造時の抄紙pHが7付近を示す抄紙系では,内添薬品の定着剤として使用されている硫酸バンドは失活しやすい。硫酸バンドの失活は紙力低下や濾水速度の低下,サイズ不良の原因となるが,硫酸バンドの効果不足を硫酸バンドの増添で補った場合,スケール発生や紙面欠点などのトラブルの原因となりやすい。一方で硫酸バンドは内添薬品の定着剤以外にも,抄紙工程の清浄化や脱水性の改善により操業性を高める効果があり,更にロジンサイズ剤のサイズ発現に必須であるため,使用量を低減することは難しい課題である。<br>本稿では,両イオン性ポリアクリルアミド(両性PAM)中のアニオン基に着目した検討を行った結果を紹介する。アニオン基として一塩基酸,二塩基酸,α-ヒドロキシ一塩基酸を比較したところ,α-ヒドロキシ一塩基酸を用いた場合に硫酸バンドの使用量を減らした抄紙条件における種々の課題を解決できる可能性がある両性PAMが得られることがわかった。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 77 (11), 981-983, 2023

    紙パルプ技術協会

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