抄録
<p>【はじめに】非転位型大腿骨頚部骨折に対して骨接合術が適応になるが,術後,大腿骨壊死症(ONFH)などで骨頭圧潰が生じることがある.【対象】2015年~2021年の間,当院で大腿骨頚部骨折に対して骨接合術が施行されたのは131例であり,その中で術後3ヶ月以上フォローされた71例を対象とした.内訳は男性13例,女性58例で,手術時平均年齢は74.6歳(48~92歳)であった.【結果】10例(14%)に骨頭圧潰を生じ,ONFH 8例,大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折(SIF)2例であった.ONFHは5例(63%)で,SIFは2例(100%)ともに人工物置換術が施行されていた.【考察および結語】近年,大腿骨頚部骨折骨接合術後のSIF症例が報告されている.当院における検討でも圧潰症例10例中2例(20%)がSIFと考えられる症例であった.両疾患は画像上,多くの類似点を有しており鑑別が困難であるが,SIFは早期に診断できれば免荷など保存加療で軽快することも期待できるため,両疾患の鑑別が重要である.</p>
収録刊行物
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- 整形外科と災害外科
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整形外科と災害外科 72 (4), 646-649, 2023-09-25
西日本整形・災害外科学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390016880930174592
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- ISSN
- 13494333
- 00371033
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可