絶滅危惧種キリノミタケの木材腐朽特性と原木栽培による子実体形成

書誌事項

タイトル別名
  • Wood decaying abilities, and fruiting body formation by wood-log cultivation of endangered species <i>Chorioactis geaster</i> (<i>Pezizales, Ascomycota</i>)
  • ゼツメツ キグシュ キリノミタケ ノ モクザイ フキュウ トクセイ ト ゲンボク サイバイ ニ ヨル シジツタイ ケイセイ

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説明

<p>わが国の『環境省レッドリスト2020』において,絶滅危惧種Ⅱ類(VU)にランクされているキリノミタケChorioactis geasterの保全を目的に,本種の菌糸成長と木材腐朽の特性を明らかにするとともに,原木栽培における子実体発生を試みた.その結果,菌糸はPDA培地において4℃から38℃までの範囲で生育し,その適温は30℃付近にみられた.木材腐朽に関与する環境要因等の影響は,線形混合効果モデルを用いて解析した.モデル選択の結果により,材の質量減少率は,樹種,培養温度,培養期間によって,また,ほだ木の材密度は栽培期間によって影響されることが示された.原木栽培においては,接種7年目の秋,イチイガシQuercus gilva のほだ木から最初の子実体が発生し,その時点における辺材の材密度は約0.62 g/cm3,質量減少率は約15%であった.子実体はその後も発生し,一部は裂開して子実層を裸出した.キリノミタケの原木栽培は,生息域外における有効な保全手法となる可能性が示唆された.</p>

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