急性期病院における認知症看護の質評価に関連する要因の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Examination of Factors Related to Quality Evaluation of Dementia Nursing Care in Acute Hospitals

抄録

<p>本研究の目的は,急性期病院における認知症看護の質評価に関連する要因を明らかにすることである.認知症ケア加算を取得している急性期病院の看護師1,142名を対象に,無記名自記式質問紙調査留め置き法を用いた.調査内容は個人属性,組織属性,認知症に関する知識,倫理的行動,認知症看護の質評価とし,有効回答数は835部であった.従属変数を認知症看護の質評価,独立変数を認知症看護の質評価と各変数の単変量解析で有意差があった変数とし,重回帰分析を実施した.重回帰分析の結果,認知症看護の質評価に関連する要因は,倫理的行動の「リスク回避」と「善いケア」であった.認知症患者が感じている苦痛や危険を予測し回避する「リスク回避」の倫理的行動と,認知症患者の意思を模索しながら常に最善を考えて行動する「善いケア」の倫理的行動を高めることが認知症看護の質評価につながる可能性が示唆された.今後は認知症看護の質向上のために,急性期病院の看護師の倫理的行動をどのように高めていくか検討していく必要がある.</p>

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 45 (4), 221-235, 2023-12-01

    学校法人 産業医科大学

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