平林初之輔「予審調書」論
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- 鈴木 優作
- 成蹊大学大学院
書誌事項
- タイトル別名
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- Hatsunosuke Hirabayashi's “Yoshin-chōsho”: A Trap in the Closet
- ――〈密室〉に仕掛けられた「罠」――
抄録
<p>平林初之輔の探偵小説デビュー作「予審調書」(一九二六年)は、これまで作者の掲げる「近代的探偵小説」という〈理念〉との対応関係から評価されてきたが、本論は作中で虚偽の精神鑑定の導入により「調書」が完成する点に着目し、時代的背景として予審の〈密室〉性と精神鑑定の恣意性を指摘した上で、本作を〈理念〉としての〈近代〉のみならず合法的暴力性を孕む〈近代〉という複層的な〈近代〉性を表象するテクストとして再定位した。</p>
収録刊行物
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- 日本文学
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日本文学 67 (11), 12-23, 2018-11-10
日本文学協会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390016913909512192
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- ISSN
- 24241202
- 03869903
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可