喉頭全摘術後の咽頭狭窄に対してEndoscopic cricopharyngeal myotomy (ECPM) を施行した1例

  • 紫野 正人
    群馬大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 前橋赤十字病院 耳鼻咽喉科
  • 川﨑 裕正
    群馬大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 峯村 康平
    群馬大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 前橋赤十字病院 耳鼻咽喉科
  • 萩原 弘幸
    群馬大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 二宮 洋
    前橋赤十字病院 耳鼻咽喉科
  • 近松 一朗
    群馬大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Endoscopic Cricopharyngeal Myotomy for Pharyngeal Stenosis after Total Laryngectomy
  • コウトウ ゼンテキジュツゴ ノ イントウ キョウサク ニ タイシテ Endoscopic cricopharyngeal myotomy (ECPM)オ シコウ シタ 1レイ

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抄録

<p>内視鏡下輪状咽頭筋切断術(ECPM:Endoscopic cricopharyngeal myotomy)は経口的に輪状咽頭筋を切除する嚥下改善手術であり,従来の外切開による術式と比較して,低侵襲で治療効果も同等と報告されている。今回,喉頭全摘後に嚥下障害をきたした症例に対し,ECPMを施行して良好な結果を得たので報告する。症例は70歳代後半の男性。喉頭癌(T3N0M0)に対して喉頭全摘術を行った。術後に咽頭縫合不全を生じたが,局所処置で改善し経口摂取可能となって退院した。しかし退院後約2週間で経口摂取不十分となり入院した。嚥下造影やCT所見では咽頭後壁の張り出しが強くみられ,原因として喉頭全摘術時に残した輪状咽頭筋に対する迷走神経咽頭枝からの入力が筋萎縮を妨げたことによる通過障害と診断した。嚥下改善手術としてECPMを施行して輪状咽頭筋を部分的に切除したところ嚥下障害は改善し経口摂取可能となった。また縦隔炎などの周術期合併症も生じなかった。一般的にECPMは脳幹梗塞に伴う嚥下障害に対する手術方法だが,喉頭全摘術後の咽頭狭窄による嚥下障害に対しても有用であった。</p>

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参考文献 (10)*注記

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