垂直的構造下における混合寡占再考(その2)
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- 保苅 尚
- 淑徳大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Reconsideration of Mixed Oligopoly under Vertical Structure (Part 2)
- ―From the Perspective of a Phased Privatization Approach―
- ―段階的民営化アプローチの観点から―
抄録
<p>2019 年11 月29 日に死去した中曽根康弘元首相の最大の功績の一つに,国鉄等の民営化が挙げられる.本稿では,保苅(2019b)が展開した「混合寡占」モデルによる「規制緩和」の議論に,保苅(2019a)の「段階的民営化」アプローチを流用して分析を行う.水平的分離で特徴づけられる日本での国鉄の分割化に対して,英国や北欧諸国の鉄道改革では垂直分離が行われた.このような垂直分離を行い,その川下部分から民営化を先行させることが,元々は垂直統合型であった公企業を民営化する際の方策として好ましい点を再確認する一方,費用削減投資が期待されない民営化直後には,消費者が民営化のメリットを享受できない状況が発生する.このことから,民営化の成否の判断には十分な時間が必要である点を明らかにした.今後は,本結果と日本の国鉄改革で見られた水平的分離による民営化の効果との比較検証等が期待されよう.</p>
収録刊行物
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- 生産管理
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生産管理 27 (2), 95-100, 2020
一般社団法人 日本生産管理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390016958305239680
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- ISSN
- 21866120
- 1341528X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可