スギ花粉大量飛散年におけるスギ花粉舌下免疫療法の治療効果とヒノキ花粉症への効果

書誌事項

タイトル別名
  • CLINICAL EFFICACY OF SUBLINGUAL IMMUNOTHERAPY WITH CEDAR POLLEN IN A YEAR OF MASSIVE CEDAR POLLEN DISPERSAL AND ITS EFFECT ON JAPANESE CYPRESS POLLINOSIS
  • スギ カフン タイリョウ ヒサンネン ニ オケル スギ カフン ゼッカ メンエキ リョウホウ ノ チリョウ コウカ ト ヒノキ カフンショウ エ ノ コウカ

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抄録

<p>【背景】スギ花粉大量飛散年(総数12353個/cm2,平年比約4倍)にスギとヒノキ花粉症への舌下免疫療法(SLIT)の効果を検討した.</p><p>【方法】シダキュア®治療のSLIT 1年目84例,2年目107例,3年目67例を対象とした.2023年スギ・ヒノキ期の鼻眼と全般症状をVisual analog scale(VAS)で検討した.</p><p>【結果】スギ期症状は治療年数が増えると有意にVASが小さくなったが,ヒノキ期にはむしろやや大きかった(悪化).SLIT前でスギ期よりヒノキ期に自覚症状の強い例はわずか0.9-3.6%であったが,SLITにより治療3年目のVASでは,くしゃみ(p<0.01),鼻水,眼痒みと全般症状(p<0.05)でヒノキ期がスギ期より高かった.スギ期全般症状VASは花粉飛散数に影響されず,完治率はSLIT 3年目で影響を受けた.</p><p>【結論】大量飛散年でもスギSLITのスギ花粉症効果は高く,経年的に効果が増強したが,ヒノキ花粉症には経年的にVASによる症状の悪化があった.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 72 (10), 1230-1239, 2023

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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