食用コオロギ摂取によりアレルギー症状を呈した幼児例

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書誌事項

タイトル別名
  • A YOUNG CHILD WITH ALLERGIC SYMPTOMS DUE TO INGESTION OF EDIBLE CRICKETS

抄録

<p>近年,食用昆虫が注目され,摂取時のアレルギーリスクも指摘されているが,症例報告は少ない.我々は,アレルギー疾患の既往がないため発症の予見が困難であった食用コオロギによる即時型アレルギーの症例を経験した.コオロギせんべい2枚を摂取後に,くしゃみ,鼻汁,咳,眼瞼浮腫を呈した3歳男児で,エビの摂取歴はあるが食用昆虫の摂取歴はなかった.プリックテストと食物経口負荷試験の結果からフタホシコオロギが原因であることを確認した.IgE inhibition testでは,フタホシコオロギにより蛾,エビ,ヤケヒョウヒダニそれぞれの特異IgE値が著明に抑制された.本例では人生初のアレルギー症状が食用コオロギによって生じており,食用昆虫によるアレルギーのリスクを示す重要な事例である.昆虫アレルゲンには節足動物に共通したトロポミオシンやアルギニンキナーゼが含まれるが,他にも多くのアレルゲンが報告されており,交差反応による感作の可能性もある.昆虫食の普及に伴い,アレルギー発症例が増える可能性があるため,食品表示や予防策の検討をする必要がある.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 72 (10), 1258-1262, 2023

    一般社団法人 日本アレルギー学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016969190630144
  • DOI
    10.15036/arerugi.72.1258
  • ISSN
    13477935
    00214884
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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