日本熱傷学会熱傷入院患者レジストリー2011 10年間の解析報告

DOI
  • 井上 貴昭
    日本熱傷学会学術委員会 筑波大学医学医療系救急・集中治療医学
  • 岸邊 美幸
    日本熱傷学会学術委員会 金沢医科大学形成外科
  • 黒柳 美里
    日本熱傷学会学術委員会 横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター/横浜市立大学医学部救急医学/横浜市立大学医学部形成外科学
  • 佐藤 幸男
    日本熱傷学会学術委員会 慶應義塾大学医学部救急医学
  • 根本 充
    日本熱傷学会学術委員会 北里大学形成外科
  • 林 稔
    日本熱傷学会学術委員会 聖マリア病院形成外科
  • 廣瀬 智也
    日本熱傷学会学術委員会 大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター
  • 松嶋 麻子
    日本熱傷学会学術委員会 名古屋市立大学大学院医学研究科救命救急医療学
  • 森田 尚樹
    日本熱傷学会学術委員会 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立広尾病院形成外科
  • 吉村 有矢
    日本熱傷学会学術委員会 八戸市立市民病院救命救急センター
  • 佐々木 淳一
    日本熱傷学会学術委員会 慶應義塾大学医学部救急医学

書誌事項

タイトル別名
  • Japan Society for Burn Injury 2011 10 Years - Analysis Report

抄録

<p> 日本熱傷学会では, 日本国内における熱傷診療の全体像を把握し, 熱傷診療の質を向上させることを目標に, 2011年4月より「熱傷入院患者レジストリー」への症例登録事業 (以下, 本レジストリー) 登録を開始した. 2022年3月末までに登録参加施設は120施設, 延べ登録件数は20,000件をこえた.<br> 本レジストリーは, インターネット上に症例登録データベースを構築し, 各登録施設にデータ入力を依頼している. 入力項目は25項目であり, 年次別に集計がなされ, 日本熱傷学会学術集会での報告とホームページ上に年次報告として公開されてきた. 登録内容として, 急性期治療のみならず慢性期における再建手術の実態も調査対象としている. 急性期治療においては, 登録概要, 記述統計, 気道損傷, 死亡統計, 小児, 高齢者, 急性期手術を検討項目とし, 再建手術ではその手術概要を検討している.<br> 本研究では, 本レジストリーにおいて2011年4月より2021年3月までの10年間に登録されたデータを総括的に解析し, 現状の日本国内における熱傷診療の状況を報告する. 日本国内で熱傷診療を取り扱う主要医療機関における, 熱傷患者の臨床像や, 予後, 手術の状況などを網羅的に示す重要データと考えられる.<br> 一方で本レジストリーは登録開始11年を経て, 治療内容の変化や, 熱傷診療ガイドラインの改訂も加わり, 現在の熱傷診療状況を反映させるには情報量が乏しくなった. また, 本邦におけるさらなる熱傷診療の質の向上に加えて, 熱傷診療ガイドラインの普及・遵守状況の評価, 国際的なレジストリーの比較, 熱傷に関連する国内のその他のレジストリーデータと互換性をもたせるという需要を満たすために, 2023年4月よりレジストリー登録内容および登録システムを全面的に改訂した. 本解析結果が, 現在の日本国内の熱傷診療の状況を把握するものであると同時に, 次世代の熱傷診療のさらなる発展に応用し, 反映されることを期待する.</p>

収録刊行物

  • 熱傷

    熱傷 49 (5), 242-251, 2023-12-15

    一般社団法人 日本熱傷学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016991333252224
  • DOI
    10.34366/jburn.49.5_242
  • ISSN
    24351571
    0285113X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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