<i>SDHB</i>遺伝子に病的バリアントが同定されたSDH欠失型胃GISTの1例

DOI
  • 木村 香里
    国立がん研究センター東病院 遺伝子診療部門
  • 平岡 弓枝
    国立がん研究センター東病院 遺伝子診療部門
  • 内藤 陽一
    国立がん研究センター東病院 総合内科 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科
  • 平田 真
    国立がん研究センター中央病院 遺伝子診療部門
  • 吉田 輝彦
    国立がん研究センター中央病院 遺伝子診療部門
  • 桑田 健
    国立がん研究センター東病院 遺伝子診療部門

書誌事項

タイトル別名
  • A case of SDH-deficient gastric GIST with pathogenic variant identified in the <i>SDHB</i> gene

抄録

<p> 消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor;GIST)は希少がんであり,その一部ではSDHBに生殖細胞系列病的バリアントを認める.SDHBは,遺伝性パラガングリオーマ・ 褐色細胞腫症候群(hereditary paraganglioma/pheochromocytoma syndrome;HPPS)の原因遺伝子の一つとして知られている.今回の症例は30代男性で,胃GISTと診断され,手術検体の免疫染色にて,SDHB蛋白質消失を認めた.HPPS鑑別のため遺伝学的検査を実施し,SDHB病的バリアントを認めた.診療科横断的にHPPSサーベイランス体制を整え,GISTに対する通常診療に加え褐色細胞腫・パラガングリオーマ(pheochromocytoma/paraganglioma;PPGL)のサーベイランスを開始した.また,遺伝性であることの心理的負担があったため,フォローアップ遺伝カウンセリングを行った.若年発症GISTで免疫染色にてSDHB蛋白質消失の所見がある場合,HPPSの可能性を考え遺伝学的検査を検討することが有用である.また,サーベイランスの有用性に関するエビデンスの蓄積と継続した心理社会的支援が求められる.</p>

収録刊行物

  • 遺伝性腫瘍

    遺伝性腫瘍 23 (3), 94-97, 2023-12-15

    一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016991333365120
  • DOI
    10.18976/jsht.23.3_94
  • ISSN
    24356808
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ