D・トランプ(Donald Trump)政権と開発金融機関の再編 : アメリカ開発金融公社(USDFC)の成立を中心に

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  • The Trump Administration and the Reorganization of Development Finance Institutes : Focus on the Establishment of the USDFC

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抄録

海外民間投資公社(OPIC)は、アメリカ企業による開発途上国への投資拡大を支援することを通じて、開発途上国の経済成長を促進することを目的とした、アメリカを代表する開発金融機関であった。2017年1月に発足したトランプ政権は、このOPICの廃止を提起した。政府機関の廃止・再編および国際援助予算の削減を進めるためであった。しかし2017年後半以降、その政策を転換し、OPICを中心に行政府内の開発金融機能を集約し、その能力を強化した新たな開発金融機関の設立を主張するようになった。こうしたトランプ政権の政策転換の背景として、以下の3つの要因を指摘できる。第1に国際援助の中心を政府から民間部門へと移行させること、第2に「一帯一路」に代表される中国の援助政策に対抗する必要性、第3に「小さな政府」実現のための政府機関の再編、である。トランプ政権が最も重視したのは第2の点であった。そして連邦議会との協力の下、2019年12月、新たな開発金融機関としてアメリカ開発金融公社(USDFC)が誕生した。

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