ヒトツバイチヤクソウのレクトタイプ選定とその採集地についての注記

書誌事項

タイトル別名
  • A Note on the Lectotype and Type Locality of <i>Pyrola</i> <i>subaphylla</i> (<i>Ericaceae</i>)
  • A Note on the Lectotype and Type Locality of Pyrola subaphylla (Ericaceae)

この論文をさがす

抄録

<p>ヒトツバイチヤクソウPyrola subaphylla Maxim. はツツジ科の多年草で,近縁なイチヤクソウP. japonica (Miq.) Makino と比べ極端に縮小した葉をもつ.本種のレクトタイプは,北海道の “Sigi-nope” で採集されたコマロフ植物学研究所(LE)の標本が選定され,LEにはレクトタイプおよびアイソレクトタイプが存在する.アイソレクトタイプはキュー王立植物園(K),ハーバード大学 (GH),ミュンヘンのバイエルン州植物学標本館(M),フランス国立自然史博物館(P)にも合計5枚存在する.これらの再同定を行ったところ,レクトタイプにはイチヤクソウの個体が含まれていることが明らかになった.命名規約9.14条に従い,この個体を除いた部分をレクトタイプとして再選定した.加えて,“Sigi-nope”の位置が不明瞭であったため,Maximowiczの日記の和訳やT.W. Blakistonの著書等の文献調査に基づき検討した.その結果,“Sigi-nope” は現在の茅部郡森町に昭和14年まで存在した宿野辺村か,大沼の流入河川である宿野辺川を示すものと結論した.</p>

収録刊行物

  • 植物研究雑誌

    植物研究雑誌 98 (6), 285-292, 2023-12-20

    植物研究雑誌編集委員会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ