地域在住高齢者の食行動に影響を与えるライフイベントの質的研究

  • 佐藤 清香
    お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科 日本学術振興会特別研究員
  • 河嵜 唯衣
    お茶の水女子大学SDGs推進研究所
  • 赤松 利恵
    お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系
  • 谷内 ななみ
    お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Eating behaviors affected by life events among community-dwelling older adults: a qualitative analysis
  • チイキ ザイジュウ コウレイシャ ノ ショク コウドウ ニ エイキョウ オ アタエル ライフイベント ノ シツテキ ケンキュウ

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抄録

<p>目的:地域在住高齢者の現在の食行動と,その食行動に影響を与えたライフイベントを探索した.</p><p>方法:2022年5月から9月,地域在住高齢者27人を対象に,属性をたずねる質問紙調査と半構造化インタビュー調査を行った.調査日前日の食事状況(食事時刻,共食相手,食事内容など)をたずねたのち,聞き取った習慣的な現在の食行動と,以前の食行動から現在の食行動に変化したきっかけをたずねた.インタビューデータを基に,食行動の変化と,その食行動を始めたきっかけとなるライフイベントを抽出してコード化した.食行動の変化およびライフイベントのコードは,質的手法であるテーマティック・アナリシス法を用いてテーマおよびサブテーマに分類した.ライフイベントに対応する食行動の変化をテーマ別にまとめた.</p><p>結果:対象者の平均年齢(標準偏差)は76.8(4.8)歳,男性は13人(48%),独居の者は3人(11%)であった.食行動の変化は7テーマ・29サブテーマに集約され,食事の計画から食品選択,調理,摂食,後片付けを含む多様な食行動が抽出された.食行動の変化に影響を与えたライフイベントは7テーマ・30サブテーマに集約され,主に職業関連・家族関連・健康関連のライフイベントが食行動の変化のきっかけとなっていた.</p><p>結論:地域在住高齢者の多様な食行動は,職業関連・家族関連・健康関連のライフイベントの影響を受けていることが示唆された.</p>

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