関係人口と移住意向との関わりー「地域との関わりについてのアンケート」の2 次分析ー

DOI 機関リポジトリ オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Conditions Under Which People Who Have Ongoing Involvement with a Region Intend to Migrate There: A Secondary Analysis of the “Questionnaire on the Relationship with the Local Community”

この論文をさがす

抄録

要旨  この研究では,国土交通省の「ライフスタイルの多様化と関係人口に関する懇談会」のもとで2020年7 月10日から2021年3 月30日までの間に行なわれたウェブによる調査票調査「地域との関わりについてのアンケート」の公開データを2 次分析し,関係人口などで,居住地以外の特定の地域を継続的に訪問している人が,どのような条件でその地域に移住意向をもつのかを検討した。データのもとになった調査で,特定の地域を継続的に訪問していると回答したのは37,939人であった。回答者1人につき3 つまでの地域を報告できたので,対象地域はこれよりも多く,合計で72,974件あり,これを分析の対象とした。分析には二項ロジスティック回帰分析を用いた。従属変数には,現在訪問している地域に移住する意向の有無を問う設問への回答を指定し,独立変数には,この調査で得られた他の変数から17の変数を選んで投入した。分析の結果,訪問先に移住する意向をもつのはどんな人か,またその人と地域にどんな関係があるかがある程度わかった。一言で言えば,非常に活動的で,対象地域に対して相対的に関わりの程度が大きい人ということになる。これは,再生を目指す地域が関係人口との間に期待する関係性そのものではないだろうか。とするなら,実際に移住するかどうかは別として,訪問地域に移住する意向を持つ人々が増えることは,それ自体として意味があるのではないかと考えられる。ただし,訪問先の地域区分で見ると,回答者の移住意向は,移住が最も望まれているであろう農山漁村部ではなく,市街地部,郊外部をはじめとするそれ以外の地域の方が強くなった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ