易変性を示すイネ・イセヒカリにおける転移因子の転移の解析

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タイトル別名
  • Analysis of mobilization of transposable elements in a mutable rice Isehikari

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抄録

イネ品種コシヒカリの自然突然変異体であると考えられているイセヒカリは,低頻度ではあるが自然条件下で様々な変異 体を生じることが知られている.本研究では,イセヒカリにおいて転移因子mPingおよびnDartが転移しているかを調査した.トランスポゾンディスプレイ解析の結果,イセヒカリとコシヒカリの間にmPingおよびnDartの挿入多型とコピー数多型があった.このことから,イセヒカリが成立する過程でこれらの転移因子の転移が関与した可能性が示唆された.しかしながら,イセヒカリの自殖後代 100 個体を用いたトランスポゾンディスプレイ解析では,イセヒカリにおいてmPingおよびnDartが今なお転移している証拠を得ることができなかった.これらの結果は,通常栽培条件下で栽培したイセヒカリにおいてmPingおよびnDartは活性がないかあるいは低活性であることを示唆している.

収録刊行物

  • 作物研究

    作物研究 68 (0), 25-29, 2023-06-21

    近畿作物・育種研究会

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