ナルデメジン併用後にオピオイドの鎮痛効果減弱や退薬症状が認められた2症例

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  • Reduced analgesic effect of opioids and withdrawal symptoms after use of naldemedine: a report of two cases

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抄録

<p>ナルデメジン併用後に,オピオイドの鎮痛効果や退薬症状が出現した症例を経験した.【症例1】50歳台,男性.肺腺がん,頭蓋底転移に対して加療中だった.転移性腫瘍による右後頚部から右肩にかけての痛み症状の増強に伴いオキシコドン徐放錠の増量とナルデメジンの併用開始となった.痛みは緩和されず,悪心・嘔吐が続いた.オピオイドの増量や種類の変更を行ったが症状は改善しなかった.ナルデメジンによるオピオイドの拮抗作用を疑い,ナルデメジンのみ中止した.翌日から悪心・嘔吐は消失し,痛み症状も改善した.【症例2】40歳台,女性.多発性神経鞘腫による腫瘤性病変が脊髄硬膜嚢内や硬膜外,骨盤内に多発し,下腹部や両下肢の痛みが強い状態だった.フェンタニル貼付剤の使用と増量に伴い便秘がひどくなり,ナルデメジンの内服を開始した.ナルデメジン内服後1時間で悪心・嘔吐,多量の下痢,痛みの増強をきたした.原因が不明のまま経過をみていたが,右顔面神経麻痺が出現し,右小脳橋角部腫瘍が判明した.【まとめ】ナルデメジンの投与後にオピオイドの鎮痛効果減弱と離脱症状が出現する場合,脳腫瘍の存在を疑い,念入りな診察を行うべきである.</p>

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