両側性口唇裂口蓋裂を伴う一卵性双生児の顎顔面形態

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  • リョウソクセイ コウシンレツ コウガイレツ オ トモナウ イチランセイ ソウセイジ ノ ガク ガンメン ケイタイ

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抄録

<p>一卵性双生児と診断された両側性口唇裂口蓋裂の裂型が一致する男児1組の顎顔面形態について矯正歯科治療を行った.卵性診断については,STR法を用いて行った.その結果,検査した全てのSTRローカスにおいて双生児間で異なるSTR型が検出されなかったことから一卵性であることが確認できた.双生児の初診時年齢は5歳8か月であった.13歳時に前歯部の反対咬合を呈してきたため,拡大装置とマルチブラケット装置を用いて矯正歯科治療を開始した.矯正装置は20歳4か月まで装着した.その間の顎顔面形態について検討を行ったところ,頭部エックス線規格写真の計測値から,頭蓋基底部については,頭蓋基底前後径は標準値より長かった.上顎について,SNA角は5歳時に標準値と変わらなかったが,成長と共に減少した.また,口蓋の下降と前歯の舌側傾斜が見られた.下顎については,下顎下縁平面角の開大により頭蓋に対し下顎前方点の後退位がみられた.また,第二子の方が第一子に比べ下顎下縁平面角は小さく,下顎骨体長が大きくなったことから,skeletal Class IIIの顎顔面形態を示し,下顎前歯は舌側傾斜を示した.</p>

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 86 (2), 115-124, 2023-09-25

    大阪歯科学会

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