自動釘打機により鈍的心外傷を来たしたと考えられる1例

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A case of a blunt cardiac injury caused by nail gun

この論文をさがす

抄録

〔要旨〕症例は84歳,男性。自動釘打機での自傷行為で,頭部,前胸部に釘を打ち込み受傷した。CTで頭部と前胸部に釘の残存と,心損傷,肺損傷,脳損傷を認めたため,緊急で開胸止血術と開頭異物除去術を施行した。胸部の術中所見として,心膜に明らかな鋭的損傷を認めず,心尖部近くの心筋にoozingを伴う暗赤色変化を認めるのみだったことから,自動釘打機の衝撃による鈍的心損傷と診断した。自動釘打機による四肢以外の臓器損傷はまれであり,無症状から血行動態の破綻までさまざまな経過を呈する。胸部に創部がある場合,鋭的損傷だけでなく鈍的損傷でも全身状態が増悪する可能性があるため,迅速な評価,治療介入が救命に重要と考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ