生物の磁気受容能とそのメカニズム

  • 大塚 浩晨
    早稲田大学先進理工学部電気・情報生命工学科
  • 岡野 俊行
    早稲田大学先進理工学部電気・情報生命工学科

書誌事項

タイトル別名
  • The mechanism of animal magnetoreception

抄録

<p>私たちヒトが日常で地球の磁気(地磁気)を感知することはないが,鳥類や爬虫類,両生類,魚類,昆虫,果ては細菌に至るまで,様々な生物種において地磁気受容能が示されている。動物では特に,渡りや回遊,帰巣のためのナビゲーションに地磁気を利用していると考えられている。生物の磁気応答の仕組みには,「マグネタイトメカニズム」と「ラジカルペアメカニズム」という,2種類のメカニズムが考えられている。マグネタイトメカニズムは,微小な磁性粒子を利用する機械的な方法であり,一方,ラジカルペアメカニズムは,光エネルギーを利用する化学的な方法である。これらのメカニズムの詳細は不明な点が多いものの,それぞれ細菌および鳥類において研究が進んでいる。本稿では,磁気受容能をもつ生物,ならびに上記の2つの磁気受容メカニズムの特性の違いを紹介し,筆者らがこれまで研究対象としてきたラジカルペアメカニズムについて,自身の研究と近年の研究動向を踏まえて紹介する。</p>

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参考文献 (59)*注記

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