気候変動に関する政府間パネル第6次評価報告書に基づく木材の平衡含水率の変化予測の更新
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- 田中 孝
- 静岡大学
書誌事項
- タイトル別名
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- An updated assessment of changes in equilibrium moisture content of wood in Japan based on the Intergovernmental Panel on Climate Change sixth assessment report
抄録
本研究の目的は、前報にて示された木材の平衡含水率の将来予測を気候変動に関する政府間パネル第6次評価報告書に基づいた最新のものに更新することであった。まず、前報における将来予測をその後の実績値と比較し、前報における予測方法の妥当性を検討した。次に、前報の予測方法を踏襲し、最新のシナリオに基づいた木材の年平均平衡含水率の2100年までの将来予測を実施した。2001年から2022年までの22年間で、日本各地の木材の平衡含水率はおおむね前報で予測した範囲で下降したものの、その降下の傾きは予測よりもやや緩やかな降下であったことから、前報における手法は将来の平衡含水率をやや過大評価している可能性が示唆された。木材の平衡含水率は少なくとも今世紀半ばまで下降しつづけること、また向こう数十年の間にCO2および他の温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、21世紀中に1.5~2ポイントを超える平衡含水率の低下が起こることが示された。
収録刊行物
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- 農学オープンアクセスジャーナル
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農学オープンアクセスジャーナル 3 (1), 1-8, 2023-12-27
農学オープンアクセスジャーナル協会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390017124024296960
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- DOI
- 10.50925/noaj.3
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- ISSN
- 24363987
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可