レミエール症候群の中枢神経系合併症:症例報告と最近の文献レビュー
書誌事項
- タイトル別名
-
- Central nervous system complications of Lemierre’s syndrome: A case report and recent literature review
この論文をさがす
説明
<p>レミエール症候群は,口腔咽頭感染,内頸静脈の血栓性静脈炎,全身臓器の血栓塞栓症を特徴としており死亡率も高い疾患である。最も多い遠隔病巣は,肺,関節,骨,皮膚,軟部組織であり,中枢神経系合併症は約3%とされている。</p><p>症例は62歳男性で,悪寒と体動困難で当院救急外来に救急搬送された。造影CTで右副咽頭間隙膿瘍を認め,排膿後に抗菌薬治療を開始した。入院時の血液と膿瘍の培養からStreptococcus constellatusが検出された。入院後,不随意運動と精神症状が出現し,髄液検査および造影MRIで髄膜炎,脳炎,硬膜下膿瘍,S状静脈洞血栓症が判明した。抗菌薬治療に加え,抗凝固療法を開始し,血栓は消失した。視床下核に炎症が波及したため,不随意運動と精神症状が生じたと考えられた。不随意運動は改善したが,精神症状は残存した。レミエール症候群を診療する際は,中枢神経系合併症の可能性に留意する必要がある。</p>
収録刊行物
-
- 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会誌
-
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会誌 3 (4), 169-177, 2023
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390017135055470592
-
- ISSN
- 24357952
-
- 本文言語コード
- en
-
- データソース種別
-
- JaLC
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可