レミエール症候群の中枢神経系合併症:症例報告と最近の文献レビュー

  • 前田 泰規
    青森県立中央病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科 弘前大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科頭頸部外科講座
  • 上野 達哉
    青森県立中央病院脳神経内科
  • 原 隆太郎
    青森県立中央病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 松下 大佑
    弘前大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科頭頸部外科講座
  • 落合 秀也
    青森県立中央病院総合診療部
  • 太田 修司
    青森県立中央病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 工藤 直美
    弘前大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科頭頸部外科講座
  • 松原 篤
    弘前大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科頭頸部外科講座

書誌事項

タイトル別名
  • Central nervous system complications of Lemierre’s syndrome: A case report and recent literature review

この論文をさがす

説明

<p>レミエール症候群は,口腔咽頭感染,内頸静脈の血栓性静脈炎,全身臓器の血栓塞栓症を特徴としており死亡率も高い疾患である。最も多い遠隔病巣は,肺,関節,骨,皮膚,軟部組織であり,中枢神経系合併症は約3%とされている。</p><p>症例は62歳男性で,悪寒と体動困難で当院救急外来に救急搬送された。造影CTで右副咽頭間隙膿瘍を認め,排膿後に抗菌薬治療を開始した。入院時の血液と膿瘍の培養からStreptococcus constellatusが検出された。入院後,不随意運動と精神症状が出現し,髄液検査および造影MRIで髄膜炎,脳炎,硬膜下膿瘍,S状静脈洞血栓症が判明した。抗菌薬治療に加え,抗凝固療法を開始し,血栓は消失した。視床下核に炎症が波及したため,不随意運動と精神症状が生じたと考えられた。不随意運動は改善したが,精神症状は残存した。レミエール症候群を診療する際は,中枢神経系合併症の可能性に留意する必要がある。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ