上気道粘膜組織における宿主自然免疫応答機構の解明

DOI
  • 小笠原 徳子
    札幌医科大学微生物学兼耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Mechanism of the host innate immune response in upper respiratory mucosal tissues

抄録

<p>両口蓋・咽頭扁桃や鼻粘膜はひとつづきの粘膜組織であり,ヒト気道において外来抗原の認識と取り込み,異物除去,病原体の侵入阻止など日常的に多彩な機能を果たしている。粘膜組織における非特異的あるいは特異的な防御機構は多段階にわたって制御されており刺激の程度に応じた反応を誘導するように調整されているが,その詳細は構成細胞を含めて未だ不明な部分が多い。アレルギー性鼻炎や2型炎症性疾患であるポリープを伴う慢性副鼻腔炎,慢性扁桃炎や病巣性扁桃炎など多彩な疾患の病態が形成されるのも上気道粘膜組織の免疫応答性の破綻による。本稿では耳鼻咽喉科医として極めて身近であり,長年の研究対象組織でありながらその果たす役割や様々な病態に関わる機能の全容が未だ不明である上気道粘膜組織について,扁桃組織と上皮細胞を中心に近年の研究成果および微生物に対する免疫応答システムの概説をする。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017135055479168
  • DOI
    10.24805/jiaio.3.4_133
  • ISSN
    24357952
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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