テゼペルマブ(テゼスパイア<sup>®</sup>皮下注210 ‍mgシリンジ・ペン)の薬理学的特徴及び気管支喘息に対する臨床試験成績

書誌事項

タイトル別名
  • Mechanism of action of tezepelumab (TEZSPIRE<sup>®</sup>) and clinical trial results in ‍asthma

抄録

<p>テゼペルマブ(製品名:テゼスパイア®皮下注210 ‍mgシリンジ)は,「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)」を効能・効果として2022年9月に本邦で承認された新規作用機序の生物学的製剤である.剤形追加として2023年8月にテゼスパイア®皮下注210 ‍mgペンの製造販売承認を取得した.テゼペルマブは上皮サイトカインである胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)に結合し,TSLPのへテロ二量体受容体を介したシグナル伝達を阻害する.第Ⅲ相国際共同臨床試験のNAVIGATOR試験において,中用量又は高用量のICS及び,その他の長期管理薬で治療してもコントロール不良な喘息患者に対してテゼペルマブ210 ‍mgを4週に1回52週間皮下投与した結果,プラセボ群と比べて年間喘息増悪発生率の有意な抑制効果が示された.また,喘息増悪抑制効果は,ベースライン時の患者の血中好酸球数,呼気中一酸化窒素濃度(FeNO),血清総IgEの値によらず認められた.他の喘息において重要な臨床評価項目である肺機能,健康関連QOL,及び喘息コントロールにおいてもベースラインからの変化量に臨床的に意義のある改善が認められた.加えて,臨床薬理試験において,テゼペルマブによって喘息患者の気道過敏性の改善への有効性が示されている.本稿では,テゼペルマブの薬理学的特徴,薬物動態,並びに臨床試験における有効性及び安全性成績について概説する.</p>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 159 (1), 53-60, 2024-01-01

    公益社団法人 日本薬理学会

参考文献 (22)*注記

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