シャント手術で良好な経過をたどった特発性頭蓋内圧亢進症の一例

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タイトル別名
  • A Case of Idiopathic Intracranial Hypertension Successfully Treated with Cerebrospinal Fluid Diversion

抄録

<p> 眼症状にて発症した特発性頭蓋内圧亢進症の1症例を経験したので報告する.</p> <p> 症例は49歳女性.頭痛,羞明,下方視での一時的な視覚障害を主訴に受診した.視力は正常,両眼の著明な乳頭腫脹があり,視野検査で両眼マリオット盲点の軽度拡大がみられた.前医MRI(magnetic resonance imaging)では占拠性病変はなく視神経周囲のくも膜下腔拡大と眼窩内視神経の蛇行があり頭蓋内圧亢進所見があった.MRV(magnetic resonance venography)は異常が見られなかった.治療抵抗性の頭痛もあり,MRI所見より特発性頭蓋内圧亢進症を疑い脳神経外科紹介,腰椎穿刺で髄液圧は35 cmH2Oと上昇あり,特発性頭蓋内圧亢進症と診断された.保存的治療するもうっ血乳頭所見,一過性視覚障害の発作頻度は改善が見られなかったため,脳神経外科にて腰椎腹腔シャント手術が施行された.術後は,うっ血乳頭所見は著明に改善し,一過性視覚障害や羞明は消失,頭痛や耳閉感も消失.視力・視野は正常に復した.保存的治療で改善のない症例では,不可逆的な視神経のダメージが起こる前の適切な時期に外科的治療介入が必要であることが示唆された.</p>

収録刊行物

  • 神経眼科

    神経眼科 40 (4), 357-363, 2023-12-25

    日本神経眼科学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017267761780864
  • DOI
    10.11476/shinkeiganka.40.357
  • ISSN
    21882002
    02897024
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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