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- 原田 和博
- 笠岡第一病院内科
抄録
<p>以下の症例について、フロアーの参加者とともに考察します。 </p><p>【症例】 79歳、男性。164cm、58.5kg。耐糖能障害、B型肝炎の既往(HBs抗原:陰性、HBs抗体:陽性)あり。 </p><p>当院でX-3年より、高血圧、脂質異常症、胃潰瘍に対してアムロジピン(5mg)1T、ランソプラゾール(15mg)1T、アトルバスタチン(5mg)1T/日を処方されていた。</p><p>X-1年:降圧不十分(BP:156/84mmHg)にてトリクロルメチアジド(2mg)1T/日追加された。</p><p>X-5ヶ月:腰痛、下肢痛(脊椎間狭窄症疑い)に対しプレガバリン(75mg)2T(朝・夕)/日、また妻に対して易怒性、不眠とのことでペロスピロン(4mg)1T/日を追加された。この際の検査値は以下のとおり肝腎機能に異常は認めなかった。WBC:7400/μL、RBC:447万/μL、Hb:13.7g/dL、血小板:22.8万/μL、血糖(食後):161mg/dL、HbA1c:6.6%、AST:19U/L、ALT:17、γ-GTP:34、LDH:187、BUN:20.1mg/dL、Cr:0.82、eGFR:69.1ml/min/1.73m2、Na:142mEq/L、K:3.5、Cl:97。追加薬剤はある程度の効果を認めていた。</p><p>X-2ヶ月:下肢のしびれ、疼痛の改善不十分にて他院を受診し、芍薬甘草湯を処方され1~3包(2.5~7.5g)/日を服用していた。</p><p>X:脱力のため階段が上れなくなった。また2週間くらい前より、口渇感を感じるようになり当院受診した。外来担当医より、高血糖(BS:338mg/dl)と、肝障害(AST:545、ALT:155、LDH:1397)を認めたということで、診察依頼を受けた。</p><p>身体所見では、BP:158/70mmHg、PR:76/分、浮腫なし、眼瞼結膜に貧血なし、胸部、腹部には特に異常所見なし。四肢に軽度筋力低下(MMT:上肢4+/5、下肢4/5)あるが、他に神経学的異常は認めない。</p><p>【設問】以下の有害事象[1)脱力、2)高血糖、3)AST、ALT、LDH上昇(肝障害疑い)]各々に関与した可能性のある薬物はどれか?またその機序は?</p>
収録刊行物
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- 日本薬理学会年会要旨集
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日本薬理学会年会要旨集 97 (0), 2-C-WS1-2-, 2023
公益社団法人 日本薬理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390017267762319616
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- ISSN
- 24354953
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可