2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬投与の臨床的効果についての検討 −特に心・腎への効果について−

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タイトル別名
  • 2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬投与の臨床的効果についての検討 : 特に心・腎への効果について
  • 2ガタ トウニョウビョウ カンジャ ニ オケル SGLT2 ソガイヤク トウヨ ノ リンショウテキ コウカ ニ ツイテ ノ ケントウ : トクニ ココロ ・ ジン エ ノ コウカ ニ ツイテ

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説明

今回 2 型糖尿病 98 症例において SGLT2阻害薬投与の臨床的効果及び心・腎の臓器保存効果について検討した。従来の糖尿病治療薬によって治療効果が不十分な 98 症例に対しSGLT2阻害薬を置換あるいは追加投与後に 48 ヶ月までの臨床経過及び有害事象を観察した。今回の検討の結果,SGLT2阻害薬投与後にHbA1c値,体重,血圧ともに有意に低下した。一方eGFRはSGLT2阻害薬投与初期に低下したがその後は一定に維持できた。また 12 症例に測定した血中BNP値は有意に低下し心機能改善を認め,他方蛋白尿も改善し腎機能改善も認めた。観察期間中,脱水症に伴う脳血管障害の発生はなかったが性器感染が高率に発症した。以上よりSGLT2阻害薬は 2 型糖尿病患者に対して耐糖能改善のみならず血圧・心・腎などの臓器保護作用を有している事が判明したため,心・腎・高血圧などの合併症のある 2 型糖尿病患者にはSGLT2阻害薬使用はSGLT2阻害薬の持つ多面的効果より今後の糖尿病治療薬の選択肢の 1 つになりうると考えられた。

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