症例報告 反復する食後の下肢痛を訴え来院し,診断・治癒に至った閉鎖孔ヘルニアの1例

  • 栗﨑 玲一
    独立行政法人国立病院機構熊本再春医療センター 統括診療部 脳神経内科
  • 冨樫 陽彦
    独立行政法人国立病院機構熊本再春医療センター 統括診療部 外科
  • 中島 康也
    独立行政法人国立病院機構熊本再春医療センター 統括診療部 放射線科
  • 大原 千年
    独立行政法人国立病院機構熊本再春医療センター 統括診療部 外科
  • 上山 秀嗣
    独立行政法人国立病院機構熊本再春医療センター 統括診療部 脳神経内科

Bibliographic Information

Other Title
  • 反復する食後の下肢痛を訴え来院し,診断・治癒に至った閉鎖孔ヘルニアの 1 例
  • ショウレイ ホウコク ハンプク スル ショクゴ ノ カシツウ オ ウッタエライイン シ,シンダン ・ チユ ニ イタッタ ヘイサコウ ヘルニア ノ 1レイ

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症例は 80 歳,女性。反復・持続する食後の右大腿部痛を主訴に当院外来を受診した。疼痛は右大腿部を中心に下腹部にかけて出現し,週 2 - 3 回の頻度で,食事摂取が終了する頃より出現した。軽度の疼痛の際には湿布薬の貼付が有効であったが,右大腿前面から右下腹部まで痛みが広がる際には鎮痛剤の内服は無効であった。腹部単純CTにて右閉鎖孔ヘルニア所見を認め,腹腔鏡下ヘルニア修復術施行し自覚症状は消失した。閉鎖孔ヘルニアが慢性下肢痛の原因になりうることが知られている(Howship-Romberg徴候)が,疼痛部位は様々であり,一般的な認知度は低く,体外表面からの理学的所見のみで診断することが難しいため,正確な診断および治療が遅れることも多い。反復する食後の大腿部痛を診た際には閉鎖孔ヘルニアを疑い,腹部CT検査等にて精査を行う必要がある。

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