一時ペーシングカテーテル留置後に生じた腰椎椎間関節偽痛風の 1 例

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抄録

患者は 86 歳の女性。不整脈に対して一時ペーシングカテーテルが留置された数日後に発熱と腰痛を生じた。腰椎化膿性脊椎炎を疑い,カテーテルを抜去しつつ各種培養検査や抗菌薬治療を行った。しかし培養は陰性で,NSAIDsを開始した直後から症状が軽快したことから腰椎の結晶性関節炎を疑った。腰椎椎間関節包から関節液を穿刺吸引採取し,ピロリン酸カルシウム結晶を認めたため偽痛風と診断した。化膿性脊椎炎を疑った場合でも長期間の不要な抗菌薬投与を避けるために,培養で起因菌が同定できない,CTで椎骨周囲に石灰化を認める, NSAIDsに対する治療反応性が非常に良い場合などには,結晶性関節炎も考慮すべきである。

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