「仮想アバター」ではなく「もう一人の自分」。メタバース発展の先に見る新たな医療の形

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説明

<p>2021年Facebook社の「Meta」への社名変更を皮切りに、大きな注目を集める存在となっているメタバース。利用者がそれぞれアバターを作成し仮想空間で生活するこの世界は、ゲームやSNSにとどまらず、経済活動や医療にも活用され始めている。そしてVRやAR、モーショントラッキングといった技術の発達により世界の解像度やアバターの操作性が飛躍的に向上したことも相まって、仮想空間・アバターは仮想にとどまらずもう一つの現実としての側面を持ち始めている。例として、2023年2月には大手事務所に所属するVTuber(バーチャルYoutuber)と呼ばれる仮想アバターで活動するタレントが東京都の観光大使に就任したほか、アバターのまま現実でコンサートライブ等を行うタレントも増えてきた。この事実の特筆すべき点は、これらのタレントは戸籍上の個人が公には特定されていない点である。個人と結びつかない独立したアバターで現実の経済活動が行われている今、医療面でもその影響や活用先を真剣に議論する必要がある。精神科医療では、メタバースを利用し匿名で相談が可能な「メタバースクリニック」や「こころの保健室」といった仕組みが既に実現されているが、これにとどまらず、アバターをもう一人の自分と考えた上での治療や緩和ケアへの活用、新たな教育方法など、一歩先の活用方法についてその危険性も交えながら議論する。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 108_1-108_1, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017345590449536
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.108_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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