在宅慢性心不全患者の生体情報を用いた心不全再発抑制機器の開発

DOI
  • 桝田 浩禎
    大阪大学 大学院医学系研究科 心臓血管外科
  • 赤澤 康裕
    大阪大学 大学院医学系研究科 循環器内科
  • 石田 秀和
    大阪大学 大学院医学系研究科 小児科
  • 成田 淳
    大阪大学 大学院医学系研究科 小児科
  • 坂田 泰史
    大阪大学 大学院医学系研究科 循環器内科
  • 宮川 繁
    大阪大学 大学院医学系研究科 心臓血管外科

抄録

<p>【背景】</p><p>高齢化に伴い、心筋梗塞や弁膜症によって慢性心不全に陥る患者が増加している。慢性心不全患者に対して、退院後も体重や血圧を測定して記録するように指導しているが、有効性は限定的であり、1年以内に約40%の患者が再入院を要している。現在、我々は在宅の慢性心不全患者のⅢ音と呼ばれる心不全に特異的な心雑音を検出するために、時計型ウェアラブルデバイスとソフトウェアを開発している。</p><p></p><p>【目的】</p><p>開発したデバイスとソフトウェアを実際の入院中患者に対して使用し、Ⅲ音の検出精度を検証すること</p><p></p><p>【方法】</p><p>2022年1月から4月に大阪大学医学部附属病院に心不全のため入院していた患者を対象とした。デバイスとスマートフォンを3日間貸し出し、1日3回ずつ心音を収録した。データはスマートフォンアプリとサーバーに送信された。 専門医のⅢ音判定結果を正解データとしながら、我々の解析アルゴリズムのⅢ音検出感度と特異度を算出した。</p><p></p><p>【結果】</p><p>11人の患者が本臨床研究に参加した。年齢の中央値は 65 歳。Ⅲ音は、専門医によって3人の患者で検出された。我々の解析アルゴリズムは、専門医の正解データに対して80%の感度と特異度を有していた。すべての参加者は、3 日目にデバイスを自力で操作できた。</p><p></p><p>【結論】</p><p>我々のデバイスとソフトウェアは、専門医と同等の精度でⅢ音を検出した。在宅患者の生体情報を集め解析することは、心不全治療の新しい選択肢となりうる。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 132_1-132_1, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017345590484608
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.132_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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