スマートフォンのデプスカメラを用いた慢性閉塞性肺疾患のための呼吸機能検査システムの開発

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抄録

<p>慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:COPD)は、気管支や肺胞の慢性的な炎症によって、末梢気道の閉塞を生じ、息切れや呼吸困難などの症状を引き起こす進行性の疾患である。COPDの診断と病期の分類にはスパイロメーターによる呼吸機能検査が用いられ、一秒量、一秒率、努力性肺活量の3つの指標が利用される。COPDへの早期介入を実現するため、我々はスマートフォンに搭載されたデプスカメラで前胸部を計測して呼吸機能検査を行う手法を開発した。しかし、高齢者や気道抵抗が増大した患者では努力呼吸時に体動が発生し、換気量の計測精度を低下させていた。 そこで本研究では、胸部前面および胸部背面の深度画像から胸部全体の立体形状を復元することで、呼吸運動と体動を分離することを目指す。これを1台のスマートフォンで実現するために、胸部前面の深度画像から胸部背面の深度画像を機械学習によって生成する手法の検討を行った。東京都立大学において、2台のスマートフォンを被験者の前後に設置し同時計測を行う実験を実施し、データの一部を機械学習モデルの学習、残りを評価に用いた。生成された胸部モデルの体積を平均絶対パーセント誤差で評価して手法の性能と体動の影響を評価した。本アルゴリズムによって、遠隔診療や往診など、臨床に応用できる呼吸機能検査アプリを実現することが期待できる。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 182_2-182_2, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017345590536832
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.182_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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