細胞解析に特化したバイオチップの開発および評価に関する研究

DOI

抄録

<p>細胞状態を解析する際は、専用の細胞解析装置が用いられる。この細胞解析装置としては、フローサイトメーター(FACS)やセルカウンターなどがある。FACSは単一細胞を正確かつ高速に評価できるが、高価(2000万円以上)であり、維持費が高く、設置スペースをとり、起動や終了に時間がかかるなどの問題点を持つ。また、セルカウンターはFACSに比べ小型・安価(100~200万円)であるが、解析内容は乏しい。これに対し本研究では、細胞解析に特化したバイオチップシステムを開発することで、安価・簡易的かつ、正確性の高い細胞解析を実現する。バイオチップシステムは蛍光染色した細胞を注入するスライドとLED光源、光学顕微鏡から成る(サイズ:78×100×108mm)。染色した細胞に励起光を照射すると蛍光が得られ、これに開発した細胞数カウントプログラムで画像処理を行い、アポトーシス(細胞死)・ネクローシス(壊死)の個数を得る。本バイオチップシステムを評価するため、意図的にアポトーシス・ネクローシス誘導させた大腸癌細胞を使用してアポトーシス・ネクローシスの検出実験を行った。結果を目視検出と比較したところ、バイオチップシステムは細胞のアポトーシスとネクローシスの識別が可能であった。また、細胞数カウントプログラムは1 秒未満の検出時間で、目視による判別に対し96%以上の精度で細胞を検出した。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 194_2-194_2, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017345590548096
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.194_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ