TransU-Netを用いた超音波画像における頸動脈プラークの領域抽出と組成鑑別

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抄録

<p>超音波検査ではプラークの構成組織の違いにより見え方が異なり、低輝度プラーク・等輝度プラーク・高輝度プラークに分類される。特に低輝度プラークはプラーク内出血や脂質を伴うことから脳卒中のリスクが高いとされており、プラークの状態を適切に評価することは、その後の治療方針を決定するうえで重要である。本研究は頸動脈プラークの自動解析技術の開発を目的とし、TransU-Netを用いた頸動脈プラークの自動抽出ならびに構成組織の鑑別を行った。本研究では、頸動脈超音波検査にて長軸断面を撮影した46症例を使用した。撮影されたBモード動画像は動画像1秒あたり15枚の静止画像に変換を行い、436×398pixelsにトリミングを行った。これらの画像をTransU-Netに入力し、プラークの自動抽出ならびに構成組織の鑑別を行った。TransU-Netは、エンコーダー部にCNNとTransformerを用いている。CNN部分には、ImageNetで画像分類を学習した重みを用いたDenseNet121を使用した。Transformer部分にも同様の重みを用いたViTを使用した。10分割交差検証法の結果、プラークの抽出精度を示すダイス係数は0.496であった。また、プラークの構成組織の予測精度を示すダイス係数は低輝度プラークで0.206、等輝度プラークで0.349、高輝度プラークで0.463となった。遠位壁側に生じるプラークは良好な抽出精度が得られ、多くのプラークで形状を捉えることが可能であった。一方で、構成組織の鑑別には課題が残る結果となっているが、TransU-Netによる自動抽出ならびに組成鑑別の可能性は示唆された。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 220_2-220_2, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017345590578176
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.220_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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