介護施設における見守り・機能回復支援に向けた無拘束・無意識生体計測導入の試みとその有効性評価

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抄録

<p>介護施設におけるトイレ・椅子からの起立や,ベッドでの起き上がり時の転倒事故を防止するため,日頃の見守りや,機能回復訓練による身体機能の維持・向上が重要となる.しかし,見守り業務では目視に頼らざるを得ない場合や,少数の介護士で多くの高齢者,生活スペースを見守ることも多い.また機能回復訓練では,タブレット等を用いた歩行評価もあるが,計測環境が限定され,日常を含めたより詳細な評価も必要となる.そこで今回,これまで開発してきた無拘束あるいは生活設備内蔵の無意識生体計測システムの介護支援への応用・導入と,見守り・機能回復訓練への有効性検討を行った.まずトイレでは,背面距離センサ及び便座内蔵赤外線センサにより,排泄状況を介護士に通知できるシステムが導入され,高齢者の転倒前の介助や,排泄の有無及び排泄開始までにかかる時間などによる健康管理支援に有用であった.また椅子座面・ベッドシーツ内圧力センサを用い,椅子では体動,ベッドでは呼吸性の変動から,離臀・離床に加え,それら行動の予兆が捉えられ,速やかなケアに有用であった.一方機能回復訓練では,体幹・大腿・下腿に装着した慣性センサを用いた歩行訓練時の詳細な関節角度や速度を数値化すると共に,日常的に本センサを衣服ポケットに封入し,施設生活下における訓練動作の再現性を併せて評価することで,在宅生活を見据えた訓練効果評価が可能であった.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 227_1-227_1, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017345590581632
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.227_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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