パーキンソン病患者の閉塞性無呼吸イベントに対する心拍応答量に影響する要因解析

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抄録

<p>パーキンソン病(PD)と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の併発は少なくないが, PDでは交感神経が変性し, SASでは交感神経が亢進する.SASのあるPD患者とSASのある非PD患者では,自律神経の生理応答に違いがある可能性があり, この違いを利用してPDを早期にスクリーニングできる可能性がある.我々はこれまでに閉塞性無呼吸・低呼吸イベントに対する心拍上昇応答量がSASのあるPD患者の方がSASのある非PD患者より低いことを報告した. しかし, 心拍上昇応答量の個人内変動が大きかったため, 心拍応答に影響を与える要因を明らかにする必要がある.本研究では, その要因として覚醒反応,睡眠段階, 最低SpO2値(無呼吸の程度)をあげ, これらが心拍応答に与える影響の解明を目的とした. 国立病院機構大阪刀根山医療センターで睡眠時に計測されたSASのあるPD患者25名と臨床特性で傾向スコアマッチングされた SASのある非PD患者25名の睡眠ポリグラフデータを解析した. その結果, 心拍応答量について,覚醒反応の有る場合と無い場合のいずれも患者群間に有意差が認められた.睡眠段階別と最低SpO2別のいずれの分類でも患者群間に有意差が認められた.以上より,SASのあるPD患者群とSASのある非PD患者群間の心拍上昇応答量の差は,覚醒反応,睡眠段階,無呼吸の程度の影響によるものではないと考えられる.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 245_1-245_1, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017345590600704
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.245_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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