トモグラフィ型触覚センサを用いた手指巧緻性定量評価のための把持指本数識別システムの開発

DOI

抄録

<p> 手指運動は脳機能の発達と密接な関係を持ち,乳幼児の発達評価・認知機能の推定に有用であると考えられている.例えば,後に自閉スペクトラム症と診断される乳幼児は手指巧緻性の発達に遅れが診られることが報告されている.そこで,本研究では客観的かつ定量的な手指運動評価への応用を目指し,導電性トモグラフィ型触覚センサを用いた手指運動定量評価技術の開発を試みた.装置の開発では直径25 mm と直径50 mm の円柱型センサを作製した.計測には15個の電極と2台のマルチプレクサ,1台のマイクロコンピュータから構成される回路を用いた.本研究では初期段階として,成人男性5名を解析対象とし,使用指本数を指定する指示把持試行と, 最も掴みやすい指本数で把持を行う自由把持試行を行った.それぞれの試行を学習データと検証データとし,把持指本数の識別率評価を行った.結果として両方の円柱型センサにおいて,全実験参加者でチャンスレベルを超える識別率が得られた.また,直径50 mm において,接触位置を示す再構成画像を用いた識別では,約75 % の平均識別率が得られ,計測電圧ベクトルを用いたSVMによる識別において,9割を超える平均識別率が得られた.先行研究より,導電性材料を用いたトモグラフィ型触覚センサは圧力値の推定が可能であり,本結果と組み合わせることで定量的な手指運動解析に有用であるとの見込みを得た.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 263_2-263_2, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017345590619264
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.263_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ