広域災害、激甚災害時の病院被災から考える防災医工学

DOI
  • 福田 幾夫
    弘前大学大学院医学研究科 名誉教授 敬命会吉川病院

抄録

<p>大災害時には災害中心地ほど医療需要が急増する一方で、病院機能は低下する。その原因は病院のインフラストラクチャ(建物、電気、水道、エネルギー)の被災と人的資源の不足である。インフラストラクチャについては、病院の建築構造強化、備蓄などで対応可能であるが、人的資源は病院職員が被災者になるために、必ずしも充足せず、医療需要は逼迫する。1995年の阪神淡路大震災以来、2004年中越地震、2011年東日本大震災、2015年熊本地震、度重なる豪雨・暴風災害などの経験をもとに地域中核病院のインフラストラクチャは災害耐性を高めてきた。しかしながら、中小病院・療養施設は予算上の制約のため、災害耐性を高めるための十分な予算措置が困難である。将来間違いなく起こると予測されている南海東南海広域地震や首都直下地震、さらに大型台風による災害では病院が孤立し、救援が入るまで長期間「籠城」を余儀なくされる可能性が指摘されている。入院患者を守りながら周辺地域の医療需要に応えて行くために必要な備えを、過去の事例をもとに考えたい。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 89_1-89_1, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017345590757120
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.89_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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